従姉

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    54: :2011/10/22(土) 15:38:11.07 ID:
    あ、トシは父親に引き取られたんだって。
    トシは父子家庭になった。

    家庭内のストレスが学校で爆発して、
    よくキレていたトシだけど、
    俺に悩みを打ち明けてからキレる事は
    少なくなった。ゴールデンウイーク前の、
    サッカーが上手くてかっこいいトシに戻った。

    あの日以来、俺はトシとつるむようになった。
    傷の舐め合いだなって思っていたけど、
    友達ができたのは素直に嬉しかった。
    自然にトシのとりまきのグループとも
    仲良くなって、俺はクラスに馴染んでいった。
    55: :2011/10/22(土) 16:06:14.04 ID:
    というのも、俺はイジメを受けていたわけじゃない。ちょっと距離を置かれていただけ。
    トシの計らいで、わりとすぐ仲良くなれた。
    以前まで連中の事は冷めた目で見ていたけど、仲間になってからそんな事はなくなった。

    学校で笑えるようになって、
    冗談も言えるようになって、
    初めて学校が楽しいと思えた。

    トシと俺は二人きりの時、もっぱら哲学的な話ばかりしてた。
    死んだらどうなるのか、とか
    「強い」とはどういうことか、とか
    これって中二病だったんかな?思春期?
    よく分からんけど、そういう話し相手になっていた。

    そんなある日、トシが俺の家に遊びに行きたいと言いだした。
    友達を家に呼んでいいか、みよ姉に聞いてみた。

    俺「明日、友達を家に呼んでいい?」
    姉「えっ、友達っ?!構わん構わん、あ、
    掃除しとかんにゃいけんわ!」

    とか慌ててた。友達の話とか全くしてなかったから、
    友達いないと思ってたんだろうね。みよ姉が嬉しそうで何よりだった。
    58: :2011/10/22(土) 16:21:08.72 ID:
    俺の家は、曾祖父が建てた普通の二階建て。
    祖父がそろばん教室を開いていたので、家の隣にトタン張りの平屋もあった。

    新築じゃないから、たいして凄いと思った事はなかったけど、
    トシはずっと凄い凄い言ってた。

    みよ姉はめったにお菓子とか作らないのに、ホットケーキを作ってくれた。

    姉「トシ君たくさん食べてねーw
    こんなお構いしかできんけどw」
    トシ「ありがとうございますw一次の姉ちゃんかわいいw」
    姉「うん、知ってるw」
    俺「ちょw」

    とか、わいわいしてた。
    ホットケーキが焼けて、みよ姉がお皿に移す。

    姉「バターはお好みでどうぞw」
    トシ「はーいw」

    トシはあのバター塗るやつでバターを塗った。そして塗り終わった後、
    バター塗るやつをベロリと舐めた。

    そしてまたバター塗るやつでバターをとり、ホットケーキに塗った。
    そしてまたバター塗るやつを口に含んで、それに着いてるバターを舐めた。

    俺どん引き。
    人の家でそれはしないだろ。

    トシが帰った後、みよ姉はバターが残っているにもかかわらず、
    バターとバター塗るやつを捨てた。

    みよ姉はそれ以来二度とホットケーキをしなくなった。
    66: :2011/10/22(土) 16:40:44.69 ID:
    それからもトシはちょくちょく遊びに来たけど、初回よりも扱いは雑になった。

    夏休みに入って、トシは俺の家に泊まる事が多くなった。
    昼間はみよ姉は仕事なので、俺が昼ご飯を賄ったりしてあげてた。
    トシの父親が朝昼晩とバイト三昧なのでろくな食事ができないらしい。
    三百円じゃイイもん食えねーよって毒づいてた。

    はじめのうちは良い顔してたみよ姉だけど、
    だんだんストレスになってきているのが目に見えて分かった。
    血のつながった子を育てるのと他人の子を育てるのはやっぱ違うんだろうね。


    最終的に、トシは自分の父親も俺の家へ呼んできた。
    67: :2011/10/22(土) 16:41:55.40 ID:
    トシwwwwwwwwww
    69: :2011/10/22(土) 17:03:34.52 ID:
    トシはその日も遊びにきてたんだけど、
    夕方帰って、夜に父親連れて家に来た。
    みよ姉は風呂上がりだったからすごく嫌な顔してた。
    とりあえずリビングへ二人を上がらせる。

    (俺)(みよ姉)
    ------

    ------
    (トシ)(トシ父)

    みよ姉「こんな夜にどうされたんですか。もう寝る準備してたんですけどねえ」
    トシ父「いやーごめんね、本当w今日は親子二人で泊まらせて貰えるかな?w」

    俺もみよ姉も目が点。

    みよ姉「なんでですか?」
    トシ父「アパートから追い出されちゃってw荷物は今車にあるんだけどw
    とりあえず今日一日だけwホテル空いてなかったんだw」
    みよ姉「どうしてアパートから追い出されたんです?」
    トシ父「半月くらい払ってなくてw」
    みよ姉「でも働いていらっしゃいますよね?」
    トシ父「まあそうだけどwいろいろ出費があってwちょっと喉乾きません?w」
    みよ姉「全く」

    みよ姉はお茶出さなかった。
    俺からしてもこの父親はダメだなと分かった。誠意がないんだわ、トシ父。
    年は三十才くらいだったけど、俺はトシ父を見下した目でみた。

    トシ父「隣に平屋あるでしょ?あそこでいいからw
    君も女の子だし、さすがにここに泊まるのは悪いw」

    みよ姉「そうお思いなんでしたら、こんな夜にこの家庭を選びませんよ。
    とりあえず、トシ君のお父様のお話を聞く限り急用ってほどでもないので、
    お引き取りください。私達も余裕のある暮らしじゃないんです」

    この父をお父様と呼べるみよ姉すごいなって思った。
    トシはずっと黙ったままだった。
    70: :2011/10/22(土) 17:16:26.04 ID:
    トシ父「いや急用じゃないってw今の話の通り、住む所ないんだよw」
    みよ姉「でも笑ってらっしゃるじゃないですか。
    それほど切羽詰まってる感じには見えませんがね」
    トシ父「いや、本当。頼むよ」
    みよ姉「トシ君から聞いたんですよね?
    私達が二人暮らしだと」
    トシ父「ああ、そうだよ」
    みよ姉「頼みやすそうですもんね、保護者が二十代の女だと」
    トシ父「いやいや、そんなことは...」
    みよ姉「ねえトシ君、今日はさすがに無理なの。我慢して車で寝てくれる?」
    トシ父「いや、車は荷物でいっぱいなんだ」
    みよ姉「外に出しといたらどうです。誰も盗みませんよ」

    俺はトシと目があった。
    申し訳なさそうに見えたけど、本当はどうなんだろうか。これは演技なのか。
    みよ姉はトシの様子を察して言った。

    みよ姉「トシ君。ハナから他人を頼っちゃいけんよ」

    親子は帰って行った。
    74: :2011/10/22(土) 17:27:01.32 ID:
    帰ったあと、みよ姉はすごく大きなため息をついてた。

    姉「あー怖かった!」
    俺「そうなん?」
    姉「だって年上の男の人とタイマンしたん よ!ちびるかと思ったー」
    俺「トシに悪かったかなあ」
    姉「仕方ないよ、親がああやし。そりゃ就職できんわ。
    人に頭下げる事ができないなんてあり得んやろ。
    年下の女なら簡単に頼めると思ったんかね?ふざけんなっつうの」

    姉は珍しくぐちぐち言ってた。
    トシの事が気がかりだったけど、
    姉が決めた事だから仕方ないなと思い込んだ。
    平屋くらい貸しても良かったんじゃ...と、
    少し思ったけど。

    次の日の昼、チャイムが鳴った。
    トシ親子はまた来た。
    77: :2011/10/22(土) 17:41:18.32 ID:
    みよ姉、昨日はあんだけ文句いってたのに、
    玄関で二人を追い払わずまたリビングへあげた。

    みよ姉「昨日の夜はよく眠れましたか」
    トシ父「ええまあ。それで、実家に帰る事になりました」
    みよ姉「実家に?という事はトシ君、転校するん?」
    トシ「はい」

    俺唖然。まじか。まじか。
    ずっと「まじか」は脳内をぐるぐるしてた。

    トシ父「それでですね...あの、実家が石川なんですよwちょっと遠いんですよね」
    みよ姉「そうですね」
    トシ父「単刀直入にいうと、お金貸して欲しいんです」

    みよ姉絶句。

    俺ですら、こんな父親ならいらんわって思った。子供の前で金貸せとかwわろすw
    84: :2011/10/22(土) 18:53:37.58 ID:
    んで、あからさまにトシ父が俺ら子供の方を見だした。

    トシ父「子供の前じゃ何なんで...」
    みよ姉「私は構いませんよ、子供の前でも。というかもう話し始めたなら一緒ですよ」
    トシ父「(無視)一次君、悪いけどトシと一緒に遊んでてくれる?二階で」

    子どもに話フるとか、今考えるとずるいよなw
    俺はみよ姉の反応を待った。
    みよ姉「ここにいなさい、一次」
    俺の手を握って、みよ姉は俺の行動を阻止した。
    でもトシが立ち上がって、俺を引っ張った。
    トシ「行こーや、俺ら居ない方がいいって」
    どうしたらいいか迷ったけど、俺はトシを選んだ。
    87: :2011/10/22(土) 19:06:07.17 ID:
    トシと二階の俺の部屋に入った。

    俺「転校するん?」
    トシ「うん。まだ他の友達には言ってないけど..」
    俺「そうか...」
    トシ「いろいろありがとな」
    俺「こっちこそ。トシのおかげで友達ができた」
    トシ「俺は、お前のおかげで辛い思いしなかった。
    自分より不幸な人間がいるって大事だな」
    俺「...は?」
    トシ「トイレ借りるわ」

    トシは一階へ降りてった。
    はぁ?って感じ。俺不幸じゃねーし
    てかそんな目で見てたんだなぁ...
    あー、友達だと思ってたのは俺だけか。
    俺の勘違いか。

    そこまで考えたら、ぼうっとし始めた。
    泣いちゃだめだ泣いちゃだめだ、トシが戻ってきたら泣いてるのばれる!
    そんなん恥ずかしい、俺が一人で友達出来たと喜んでたなんてな。
    考える事をやめた。

    そーいやみよ姉どうなったんだろう、
    てかトシ戻ってくるの遅くね?
    と思い、一階に降りてみた。
    88: :2011/10/22(土) 19:09:51.64 ID:
    いやああああああああああああああ
    89: :2011/10/22(土) 19:13:51.77 ID:
    リビングに入ると、トシ父とみよ姉とトシがいた。

    俺「あれ、トシ、いたの」
    トシ「あーうん、もう帰るから」
    俺「そっか。じゃあ...」

    トシとトシ父はさっさと帰って行った。
    みよ姉は無事だった。

    俺「なんか....複雑」
    姉「そーやねぇ...ねぇ一次。
    トシ君さぁ、....いつ頃トイレ行った?」

    そんな変な質問してくるもんだから、
    一気に不安になる俺。

    俺「二階に上がって、ちょっと経って、かな」

    みよ姉はダッシュで鏡台に駆け寄った。
    90: :2011/10/22(土) 19:16:00.21 ID:
    うっっっわ・・・・・・・ひでー
    92: :2011/10/22(土) 19:20:20.38 ID:
    鏡台の引き出し開けて、みよ姉は黒い長財布をとりだした。

    普段みよ姉が使っている財布じゃなくて、
    多分大元のお金だと思う。

    みよ姉の行動がどういう事か、俺にもわかった。
    俺「え、嘘やろ?」
    姉「わからん」

    みよ姉はバッと札入れを見開いた。

    空っぽだった。


    みよ姉はその場に座り込み、俺は立ち尽くした。

    二人とも無言だった。
    94: :2011/10/22(土) 19:23:46.78 ID:
    トシ・・・。
    ホットーケーキの時からそれ狙いだったのか?
    99: :2011/10/22(土) 19:36:11.49 ID:
    俺「...ごめん」
    姉「...なんで一次が謝るんよ。君が盗ったんやないやろ」
    俺「でも、俺が、トシと友達になっちゃったから、こんな...」
    姉「いいよ。友達になって、楽しかったんやろ?ならいいよ」
    俺「よくないよ、お金....」

    みよ姉がお金にうるさいのはよく知ってた。二人で暮らすには十分の収入があるのに、
    節電しろ節水しろとよく言っていた。
    成人したお祝いに買った車も、借金はしたくないと言って現金支払いだった。

    姉「こうなるやろうと、薄々わかっとったし。
    あの親子との手切れ金だと思えば安いもんよ、6千円」

    姉はその長財布に大金をいれてなかったらしい。
    こうなる事を見越して。
    101: :2011/10/22(土) 19:48:43.75 ID:
    姉はその長財布に大金をいれてなかったらしい。こうなる事を見越して。

    ↑これが本当ならみよ姉はネ申。
    104: :2011/10/22(土) 20:07:33.62 ID:
    みよ姉は教えてくれた。

    トシがしょっちゅう家来るようになって、
    たまにお金が合わなくなる事があった事を。
    最悪の場合を考えて、みよ姉はクレジットカードや印鑑、通帳を別の所へ隠し、
    お金がよく無くなる財布にはレシート9割千円札1割をいれるようになった。
    厚みをだしてお金ごまかしてたんだとw

    六千円っていうには、今までに盗まれたお金の総額。
    その時盗まれたのは2千円だった。

    トシ父がみよ姉を引き止め、トシが盗むっていう役割りがあったんじゃないか。
    あの二人はグルだったんだと思う。
    みよ姉はそう言った。

    信じられなかった。

    みよ姉「人間ってそーゆーもんよ。
    だから人に依存せんで、自立せんにゃいけんのんよ」

    人間不信になりかけたけど、みよ姉の言うとおり、そういうもんだと割り切るようにした。
    じゃないとやっていけない。
    109: :2011/10/22(土) 20:26:23.00 ID:
    夏休みが開けて、学校が始まった。
    トシの姿はなかった。
    他の連中は、突然俺に冷たくなった。
    トシがいなくなったからだろう。
    また俺はぼっちになった。
    少し寂しかったけど、元々ぼっちだったから過ごし方は知っていた。
    もう誰も信じない、そこそこの付き合いをしよう。深い所まで関わっちゃだめ、
    同情しちゃだめ、人は人はだ。
    とか、いろいろ自分を律した。


    そんなこんな毎日を過ごしてたら誕生日になった。
    俺もただじっとしてこの日を待ってたわけじゃない。
    アルバムを引っ張り出して父母の顔を見たり、家系図を探したり、
    なんだかんだ足掻いていた。

    毎年通り、ケンタッキーを食べてケーキを食べた。
    いつ話してくれるんだろうってドキドキしてたけど、夕食では何事もなかった。
    結局夜になった。

    俺はみよ姉の部屋を訪れた。
    去年みよ姉がそうしたように、
    ファンタ2つを持って。

    110: :2011/10/22(土) 20:28:16.93 ID:
    いよいよ核心だな
    114: :2011/10/22(土) 20:44:15.46 ID:
    みよ姉は布団の上に、俺も見た事のあるアルバムを広げて待っていた。
    ファンタを一つ、みよ姉に放り投げて
    みよ姉の隣に並んで座った。

    みよ姉はアルバムの一枚の写真を指差した。

    姉「これが森中家。私と君のおじいちゃんおばあちゃんの家ね。
    そこに生まれたのが、私の母さんと君のお父さん」

    そして写真と照らし合わせながら、
    森中家の家系図を説明してくれた。
    祖父母の間に伯母と父ができて、
    伯母が嫁いだ先が川上家。
    俺の母方の家が山下家らしい。
    この時点で俺は森中一次、みよ姉は川上みよ、という名前だ。
    118: :2011/10/22(土) 20:48:36.58 ID:
    伯母と父は仲が良くて、しょっちゅう家族ぐるみで遊びに行ってた。
    俺が4歳の夏、その日も二家族で遊びに行った。

    けれど帰り道、事故が起きる。

    その場にいあわせたのは父、母、俺、伯母、伯母夫、従姉の長女(17才)、
    従姉の次女みよ(15才)の8人。

    結果助かったのは3人のみ。
    みよ姉、俺、伯母夫。



    事故として処理されたけど、
    みよ姉はそれは違うと言った。
    自分の父が心中を企てたんだと、みよ姉は言った。
    121: :2011/10/22(土) 20:52:43.99 ID:
    みよ姉によると、伯母夫は誠実で真面目な人だった。
    けれど勤め先の中小企業が倒産、同僚が新しい小会社を立ち上げるのに
    伯母夫は協力してお金を投資、けれどその事業は失敗、借金だけが残ったそうだ。

    伯母夫は家族の保険金で借金を返済した後、自殺した。

    これは前の会社の人から葬式に聞いた話で、会社が倒産したのも、
    お金を投資していたのも、そればかりか借金をしていたこともみよ姉は知らなかった。
    【従姉と暮らした日々を淡々と書く 2】の続きを読む

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    1: :2011/10/21(金) 22:40:00.10 ID:
    初スレ立てだから拙い部分もあるけど許してな
    最近の自分語りスレのように
    虐待やら貧乏生活やら過酷な人生ではないし、
    山もないオチもないだらだらとした話になるから、暇つぶしに読んで




    2: :2011/10/21(金) 22:43:47.25 ID:
    スペック
    都合上、仮のフルネームつけとく

    俺 山下一次 現在17才高2
    従姉 山下みよ 現在28歳事務員

    幼心がついた時から、俺は従姉と二人で暮らしてた
    とりあえず、俺の記憶を辿って書いていく
    3: :2011/10/21(金) 22:46:16.67 ID:
    聞いてやる(上から
    4: :2011/10/21(金) 22:47:04.82 ID:
    結構歳離れてるな

    9: :2011/10/21(金) 22:55:27.27 ID:
    みよ姉は教育熱心で、俺が小さい頃からとにかく読書を勧めていた。
    小学校入学前にして、ひらがなだけでなく、
    小1レベルの漢字も読めていた。暗算有段者であるみよ姉は、俺にそろばんを教えてくれた。

    出来がいいと心底褒めてくれて、
    俺を撫でたり抱きしめたりして愛情をすごく注いでくれていた。
    そんなみよ姉が大好きだった。

    12: :2011/10/21(金) 23:01:45.64 ID:
    小学校に入学した。
    両親は死んだと聞かされていたけど、よく理解していなかった。
    みよ姉がいるからたいして重要な事ではなかった。不自由なく暮らせていたし。

    みよ姉から日頃、礼儀作法には厳しくしつけられていたし、勉強も出来たので、
    俺は天才だともてはやされた。先生からえこひいきされるのは非常に気分が良かった。
    そんな時、初めての授業参観があった。
    ちなみに、
    みよ姉は授業参観に行けないと言ってたので、
    教室にみよ姉がくる事は期待していなかった。
    けど、他の子達が、自分の親に手を振ってるのを見て、なんかもやっとした。

    たくさんの大人に囲まれての授業はすごく緊張した。
    けどどの大人も俺のことなんか見ちゃいないんだって気づくとどうでもよくなった。
    やっぱりみよ姉に来てもらえば良かった、
    なんで来なかったんだろう、とかいろいろもやもやした。

    そのトドメに、友達が
    一次くんのママどこ?って聞いてきた。

    「ママとかいない」ってぶっきらぼうに答えたら「えー来てないの?」とか
    さらに聞いて来たからシカトした。
    授業参観が終わって、クラスメイトが自分の親の元に笑顔で駆けつけていくの
    を横目に見ながら下校した。

    この時はじめて劣等感を抱いた。
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