1: 蚤の市 ★ 2023/01/07(土) 08:41:09.36 ID:hjp780y79
<それ、変えませんか?~Change it~>(6)

 「荒川の増水時、支流への逆流を防ぐために造られた『千貫樋せんがんぴ』です」
 小口おぐち千明・埼玉大准教授(53)が説明する。ここはさいたま市桜区。明治期にレンガで建設された治水施設の遺構を前に、女子高校生がハザードマップに目をやる。一帯は今も低地。増水時の危険性は高い。

 先月、埼玉大(同区)が理工系に進む女性を育もうと、計8テーマで開いた女子高校生向け「サイエンス体験」の一コマ。地形学などが専門の小口准教授は、高校生2人と案内役の女子大学生2人の計5人で大学周辺を歩き、洪水への備えについて語った。
 加えて、女子高校生が同大の理工系の女子大学生らと語る会もあった。参加した埼玉県の高校1年生(16)は「地図を見ながら昔、川が流れていた所をたどる貴重な機会だった。研究の話もすごく楽しそうで興味がわいた」と満足そう。
◆アイデアは多様な人材から
 取り組みの背景には、日本の理工系研究者に占める女性の割合の低さがある。昨年3月時点の総務省調査では、大学の自然科学系の女性研究者は27%。ただ保健や医学・薬学関係が高く、理学や工学は10%台にとどまる。埼玉大の「サイエンス体験」でも、指導した教員9人のうち、女性は小口准教授だけだった。

 なぜ女性が少ないのだろう。本紙が昨年4月、自然科学系の女性研究者203人に調査したところ、64%に当たる129人が「無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)」を選んだ。回答者によれば「女子は理系分野が苦手でいいという偏見」「女性は文系との思い込み」などがあるという。内閣府による2022年度の調査では、一般の男性13%、女性7%が「女性に理系の進路は向いていない」と答えている。
 アンコンシャスバイアス 人が性別や人種などについて潜在的に持つ思い込みや偏見を指し、進路選択や人事に悪影響を及ぼすとされる。米国の心理学者でノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン氏が1982年に提唱。米IT大手・グーグルが2013年、影響を排除する社員教育を始め、広く知られるようになった。国内の学会などが加盟する「男女共同参画学協会連絡会」はホームページで「無意識のバイアス」を紹介しつつ、研究者の女性比率を上げる活動をしている。

 状況を変えようとする動きも出ている。東京工業大は、24年4月入学者の入試から、総合型選抜(旧AO入試)と学校推薦型選抜(旧推薦入試)に「女子枠」を導入し、女子学生の割合を13%から20%以上とする見込みを立てている。
 益一哉ますかずや学長(68)は「国際会議には普通に女性研究者がいるのに、帰国すると男ばかり。1990年代から『別に能力差がないのに』と問題意識をずっと持っていた。女子枠の導入は何年も検討した結果」と話す。

 同窓会や産業界などから賛意が寄せられた一方、SNSなどで「学生の能力が下がる」「男性差別」と反対意見もあったという。益学長は「今までの日本社会が女性に差別的だった。突拍子のないアイデアは女子を含めた多様な人材が集まる所から出る。女子を増やし、新産業を興す役割を果たしたい」と意義を語る。
 また東北大工学研究科は昨年4月から、女性限定で5人の教授を公募。教授123人のうち女性3人という現状を変える試みで、今も人選を進めている。
 理工系の女性研究者を増やす環境整備は続く。埼玉大の小口准教授は「近くに女性のロールモデル(先例となる人)がいれば、理系に進む女子学生も増える」といっそうの加速を期待。保護者や学校の先生など周りの大人たちには「偏見を持った接し方で、女性が理系の道に進む可能性をつぶさないで」と願う。(増井のぞみ)

 あれ? ちょっと変じゃない? 身の回りの習慣や、ずっと続く制度などに、疑問を感じたことはありませんか。年が改まったこの機会に、そうした疑問に思いを巡らせようと、全6回でご紹介しました。

東京新聞 2023年1月7日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/223859

引用元: ・「女性は理系に向かない」は本当か 日本にはびこる無意識の偏見=アンコンシャスバイアスとの戦い [蚤の市★]

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